中央アメリカ北部に位置するグアテマラ共和国は、
北にメキシコ、北東にベリーズ、東にホンジュラス、
南東にエルサルバドルと国境を接する国家だ。
グアテマラはコーヒーやバナナの生産国として有名で、
位置はわからないが、国名は聞いたことがある、
その程度の認識しかなかった。
1940年代後半、
この国を舞台にアメリカ政府は非道な実験を行っていた。
性病の人体実験。
46年7月~48年12月に受刑者・兵士・売春婦・孤児など
少なくとも約1160人に梅毒スピロヘータや、淋菌を摂取させたのだという。
この「実験」の試料がアメリカの歴史学者によって発見され、
2010年5月の学会で発表されようやく明るみに出たのだ。
同年10月には、オバマ大統領がグアテマラのコロン大統領に謝罪し、
両国に調査委員会が設置され実態解明に向けて邁進しているとのこと。
「無知を利用された」と、グアテマラの元兵士のラモスさんはこう語った。
この実験は第二次大戦下、アメリカ兵に急増した性病の蔓延を防ぐために
米国の強い影響下にあったグアテマラで
開発されたばかりの抗生物質ペニシリンの効能を試すのが目的だった。
「何の説明もなかった。最初の注射を受けた後に排尿痛が始まり、
軍医に性器から菌が検出されたと言われた」とラモスさんは憤った。
検査で血液を採取する「報酬」として、たばこやせっけんが与えられることもあった。
しかし、ペニシリンによる治療は一部にしか施されず、
手当てされずに放置された者もいたという。
被害者約1160人のうち51年までに少なくとも69人が死亡した。
受刑者や兵士だけでなく、孤児院の子どもや精神科病院の入院患者も実験台にされた。
両国政府は「生存被害者」と認定された6人の賠償問題などの解決を目指し、
外交交渉を開始する見通し。
しかし、非認定被害者が米政府に賠償を請求する動きも出始めている
医学の発展のためとはいえ、あまりにも酷い行為。
アメリカでは、現在共和党の代表選が行われているが、
その候補者が「(テロリスト対し)殺すことも辞さない」という発言をするなど
なにやらきな臭い雰囲気。
強国・アメリカは一体どこへ向かうだろうか。